FG beadsによる標的タンパク質の同定事例

FG beadsを使⽤した同定の事例をご紹介します。

事例01Thalidomide(サリドマイド)の新規標的タンパク質の探索

FG beadsにサリドマイドを固定化して、ヒト細胞破砕液からアフィニティ精製を⾏ったところ、セレブロン(CRBN)、DDB1が同定されました。 セレブロンはタンパク質の分解に関わる酵素の構成因⼦であり、サリドマイドはこの酵素の働きを阻害することで奇形を引き起こすことが分かりました。

引⽤⽂献:T. Ito et al., Science 327 (2010) 1345

Thalidomide(サリドマイド)の新規標的タンパク質の探索

事例02Capsaicin(カプサイシン)の標的タンパク質の探索

FG beadsにカプサイシン誘導体(Cap-NH2)を固定化し、ヒト⽩⾎病細胞NB4からアフィニティ精製を⾏ったところ、Prohibitin1、Prohibitin2が同定されました。 これにより、カプサイシンによる⽩⾎病細胞のアポトーシス誘導機構が解明されました。

引⽤⽂献:C. Kuramori et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 379 (2009) 519

Capsaicin(カプサイシン)の標的タンパク質の探索

事例03MTX(メトトレキサート)の新規標的タンパク質の探索

MTXの固定化部位を変えてFG beadsへ固定化しそれぞれの標的タンパク質をガン細胞破砕液からアフィニティ精製を⾏いました。 固定化部位の違いにより、標的タンパク質であるDHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)とdCK(デオキシシチジンキナーゼ)がそれぞれ精製されました。 これにより、MTXの抗がん作⽤のメカニズムが詳細に解明されました。

引⽤⽂献:H. Uga et al., Mol. Pharmacol. 70 (2006) 1832

MTX(メトトレキサート)の新規標的タンパク質の探索
MTX(メトトレキサート)の新規標的タンパク質の探索

事例04病原性⼤腸菌の感染分⼦メカニズムの解明

ビーズに病原性⼤腸菌のEspBタンパク質を固定化し、ヒト細胞破砕液からアフィニティ精製を⾏いました。EspBタンパク質はMyosin1Cに結合し、その機能を阻害することが明らかになりました。

引⽤⽂献:Y. Iizumi et al., Cell Host & Microbe. 2 (2007) 383

Thalidomide(サリドマイド)の新規標的タンパク質の探索

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